こんにちは、ジェイリッツ運営事務局の渡辺です。

今回はジェイリッツの入会案内を差し上げているなかで、IS.SAPO‐TOの岩瀬様とお話する機会に恵まれました。入会には至りませんでしたが、岩瀬様は千葉県での営業歴が長く、業界にまつわるいろいろな話を教えてくださいました。

INDEX
  1. 営業電話はみんな「マージン下さい」だ
  2. 手数料ビジネスについて苦言
  3. お寺もひどいことしてる?
  4. いい加減なところに頼んでほしくない
  5. 遺品整理士協会は国家資格化を目指してるそうです
  6. どこの山も、不法投棄が酷い
  7. おわりに

営業電話はみんな「マージン下さい」だ

渡辺>私たち、こういう団体です。https://www.jrits.or.jp/

へぇ、いろんな営業電話がくるんでね。結論から言うとネット関連はみんな「中間マージン下さい」じゃないですか。おたくは違うんですか?わたしは全部断ってますけど、ネットからくる情報は「安ければいい」ってお客さんがほとんどなもので。見積もり無料ってよく言うじゃないですか。実際商売してる人間から言わせると見積もり無料はたまったものじゃないよね。見積もりに行く段階でそれだけの仕事してるわけだから。それで断られたら全部タダ働きになっちゃうのでね。

渡辺>そうですね…確かにガソリン代も人件費もかけてるわけですし

だからわたしは「相見積もり」って時点で断ってます。いい加減な仕事はしたくないですから。

渡辺>はい…ジェイリッツも「相見積もり」がございます。ですが、個別問い合わせも併せてより入る仕掛けを今後取り入れてまいります。

手数料ビジネスについて苦言

手数料を抜かれる事業者さん

営業でかかってくるところって、天引きする手数料はどこも20%くらいだよね。高すぎますよ、現場で仕事をやるのはこちらですよ。わたしのところは遺品整理士協会とタイアップして千葉県の統括会員としてやってますから、変なことはできないわけですよ。協会から追放になります。

渡辺>そうですね、私たちも「安ければいい」といった価格競争はあまり推奨しないです
コラム:ジェイリッツは過度の価格競争を推奨していません
ジェイリッツでは、不当に安い価格提示も、不当に高い価格提示も推奨しておりません。あくまで「適正な、根拠ある価格提示」をお願いしております。ムリをして案件を取れたとしても、ガソリン代や処分費、人件費などで利益ゼロという状況では業界の発展はないと考えています。事業者はもちろんのこと、依頼をされるお客さま側も不用品の知識や法令に関する理解が無いといけないものですので、ひきつづき啓蒙活動(けいもうかつどう※)を行って参ります。
※わからない道理や知識を教え導く活動

あり得ないほど安くすると処分料を浮かせるために、どこぞの山へ捨てたり、なかにはそんな業者がいるんですよ。だから手数料を取ってネットで運営してる人たちが「20%くれ」と言うのはとんでもない話だと思ってるよ。自前でやれば20%ぶんお客さんは喜ぶわけだから。今だと20%どうしたって上乗せになっちゃうわけじゃない。お客さんが損しちゃうんですよ。

渡辺>お客様がこれだけ上乗せされてると気づいてないってことですよね。これ記事にさせて頂いてもよろしいですか?

いいよ。
IS.SAPO‐TOはリフォームもやってるんだけど、外壁工事関係の営業がかかってくることがあって。「お客さんがいるので是非仕事してください」と言われてね。そこも20%取るんですよ。しかも「保証金60万かかるが、急ぎの案件だから15万円を先に振り込んでくれ」とまで言われてね。おかしいよね。こちらもそれだけ上乗せする価格になるのに、それでも頼むお客さんもいるわけよ。ネットを見て頼むお客さんはろくなのがいないね。

渡辺>「ネットを見て頼むお客さんはろくなのがいない」ですか!?…そのまま記事に載せるのは勇気がいります

いやね、「一番安いところがいい」ってのは心理として分かるんだよ。分かるんだけどね、「ネット経由の案件はそれなりのマージンが発生してる」ことをお客さんは本当に分かってるのかな?と思うよ。その中で相見積をやることにどれだけ意味があるの?ってこと。

渡辺>「得した」と思いきや実はしっかりマージンが乗ってるわけですね

そう。だから本来であれば、仕事を頼むところの社長などと接触してみて、その人柄を見るとか、考え方を聞いてみるとかして、納得したところに頼めば間違いはないはずなんだよね。ネットの場合は価格だけで勝負してるから問題が起きるんです。

だから私は紹介メインだし、ネットで来たとしても人間性を見て判断させて貰ってます。お互いの信用でやるわけじゃないですか。

渡辺>ネットであっても信用が重要というのはそのとおりだと思います

お寺もひどいことしてる?

気をつけた方がいいのはね、お寺もひどいことやってるよ。

渡辺>お寺ですか?

知り合いの坊さんの話なんだけど。ご夫婦の片方が先立たれて、片方も老いてるから「家を処分して老人ホームに入りたい」となったときも、身寄りがいないんだよね。すると住職に「わたしが死んだら家のことも葬式も任せた」と言ってお金を先に渡すのよ。

本当は亡くなったら親族と立ち会って、揉めないように身内で代表者を決めてもらって遺品整理を進めるんだけど、ところが住職はすでにお金を預かってるものだから「安ければなんでもいい」って業者に頼んでしまうわけですよ。

いくら身寄りが少なくても親族は必ずいます。「面倒だから役所に任せればいい」などと言うんで、わたしが「いや、そうじゃないよ」と言うと怒って電話が切れましたから。

渡辺>とてもいい加減なやり方ですね

そういう人がいるのよ。わたしは現場見ないと「いくらでやれる」と言えないのに、それでもやる業者がいるから。

いい加減なところに頼んでほしくない

おたく(ジェイリッツ)のような人が、一般のお客さんにこういった安易なところに頼まないよう、広めて貰いたいね。我々業者側がいくら言っても信じて貰えないですから。実態はひどいものですよ。「安くなんでもやります」って業者が遺品整理で通帳とはんこ見つけてお金引き出したり、宝石貴金属をネコババしたり。そういう世界もある。

渡辺>犯罪ですね…

我々はきちっと分別して形見にするもの、処分するものと区分けして、出向代理人という方に全部チェックしてもらうんだよ。そういうキチッとしたことをみんなやらないで結局いい加減にやっているのが多すぎるね。ぜひとも気をつけて貰いたいね。

遺品整理士協会は国家資格化を目指してるそうです

渡辺>その遺品整理業の品質を担保してるのが遺品整理士協会、ということですか?

遺品整理士協会は、遺品整理士の資格を国家試験として免許化していこうと国交省にアタックしてますよ。特にこれから高齢化社会になりますから。

遺品整理士協会の理事長は北海道で県庁職員だったんだけど、北海道はあまりにも孤独死が多いと。そういう思いから遺品整理士という資格を立ち上げたんだって。試験でちゃんと成績を出さないと認定士にはなれないし、民間でそこまでやってるわけですからね。早く国家試験になってほしいですよ。

どこの山も、不法投棄が酷い

不法投棄禁止の看板

千葉の富津市とか君津市の山にいってみてください。ものすごい量の不法投棄されてますよ。

渡辺>不法投棄って本当にあるんですね

あるどころじゃないよ!ガードレールから覗いてみて。谷になってるところぜんぶ不法投棄されてますよ。

おわりに

業界の現状をいろいろ教えていただきました。恥ずかしながら不法投棄って人生でそんなに見たことがないので実感がわかなかったのですが、リアルな話をお聞きし戦慄いたしました。

「引き受ける事業者」はたしかに「うちはちゃんとやってます」などと口ではなんとでも言います。だからこそお客さま側も最低限の見抜く力を養わなければならないと思います。そのためにできる活動が私たちにはあるはずです。ジェイリッツはこれからも精進いたします。

※お話の中に出させていただいた例は、あくまで一部の不法・違法に営業を行っている事業者の極端な例となっております。特定の業種・事業者を非難するものではございませんので、あらかじめご了承ください。

関連記事:違法な不用品回収業者ってどういう人たち?見極めるポイントをご紹介

関連記事:無料回収・格安買取は違法?不用品回収業者が心得ておくべき「0円通知」との付き合い方

今回お話いただいたIS.SAPO‐TO様への依頼はこちらです