電話対応をする男性

不用品回収業者の業務において、電話対応は非常に重要です。なぜなら業者と利用者が最初にコミュニケーションをとる場面であり、同時にそこで「この業者は信頼できそうだな」と思ってもらえなければ最初で最後のコミュニケーションの場面になるからです。

ではどのような電話対応をすれば、利用者からの信頼を勝ち取れるのでしょうか。ここでは実際に初めて不用品回収サービスを利用したという利用者に、どのような電話対応に信頼感を抱いたかのヒアリングを行い、その結果を元に信頼されるためのポイントを解説します。

INDEX
  1. 利用者には「丁寧で」「正直な」電話対応が信頼される
  2. 利用者に信頼される電話対応 4つのポイント
    1. 電話対応の基本をしっかりと実践する
    2. 言葉の使い方に注意する
    3. 見積もり料金の内訳・根拠を「こちらから」伝える
    4. 「電話対応は難しい業務」を周知徹底する
  3. まとめ

利用者には「丁寧で」「正直な」電話対応が信頼される

今回JRITSでは、様々な事業者に見積もりを取った不用品回収サービスの利用者にヒアリングを行い、各業者の電話対応について意見や感想を集めました。その結果が以下の通りです。

利用者の生の声
利用者の生の声

こうして利用者の生の意見を見てみると、利用者は電話の対応が明るく、料金の内訳などについて丁寧かつ正直に説明する業者に良い印象抱いていることがわかります。

利用者に信頼される電話対応 4つのポイント

では具体的にどのような点に注意すれば、こうした電話対応ができるようになるのでしょうか。以下では、ヒアリングをもとに見えてきた良い印象を与えている業者の電話対応の特徴を、4つにまとめました。

電話対応の基本をしっかりと実践する

何事も基本が大事であるように、不用品回収業者の電話対応でも基本が大事です。この業界に限らず、電話対応全般においての基本を守っているかどうかが、「この業者はきっちりしている」という印象を与えるためには必要不可欠です。

基本 備考
素早く 相手を待たせない。3〜5回のコールで出る。保留にする場合は30秒〜1分まで、それ以上は折り返す。
丁寧に 相手に対する尊敬語、自社に対する謙譲語(申し上げる、させていただく、など)を正しく使う。
正確に メモを取ったり、相手の言葉を復唱したりするなどして、内容に間違いがないよう正確に対応する。
簡潔に 無駄話をせず、見積もりや回収のために必要な情報だけを聞き出したり、伝えたりする。
心地よく 笑顔になった時に出る声(笑声)や、ハキハキとした発音など、相手に心地よい声や喋り方をこころがける。

言葉の使い方に注意する

一般廃棄物収集運搬業許可を取得していない限り、一般家庭からの回収品を「処分」することはできません。しかし今回のヒアリングでは、業者から「処分するには○○○○円かかります」といったように、「処分」という言葉を使う業者が少なくないことがわかっています。実際に処分するかどうかは別として、こうした言い方は利用者に対して誤解を与える恐れがあるため、避けなければなりません。

「処分」に代わる言葉としては、「回収」「引き取り」「買取」などが考えられます。無許可営業業者とみなされないためにも、経営者はもちろん従業員に至るまで、電話対応での言葉の使い方には注意する必要があるでしょう。

見積もり料金の内訳・根拠を「こちらから」伝える

納得がいかない顔をする女性

利用者の多くは、見積もり料金の内訳や根拠について説明する業者に対して「親切」「正直」というポジティブなイメージを抱く傾向にあります。しかし全ての利用者が自分から内訳や根拠について質問してくるわけではありません。中には気になっているものの勇気が出ず、「ちょっと高いし、やめておこう」「他の業者にも問い合わせてみよう」と何も言わないままという人も数多くいることでしょう。

この前提に立った際に業者側ができることは、「こちらから」伝えることです。どの品物の回収にいくらかかるかという内訳、「サイズが大きいから」「リサイクル家電だから」という根拠を業者側から伝えれば、勇気が出ずに質問できなかった利用者からも信頼を勝ち取れる可能性も生まれるはずです。

「電話対応は難しい業務」を周知徹底する

回収作業中や移動中の電話対応などでは、業者側も余裕が少なく、つい中途半端な対応をしてしまうこともゼロではないでしょう。しかし中途半端な電話対応は、不正確な見積もりにつながり、それは依頼数の減少や回収時のトラブルへとつながっていきます。なぜならば、不用品回収業における電話対応は、非常に難しい業務の一つだからです。

・搬出ルートの状況
・量、サイズ、状態、中古品の相場
・回収品の構造、素材 など

こうした種々雑多な情報を必要に応じて聞き出し、その内容に対して的確な見積もり金額を提示しなければなりません。この前提を忘れると、雑な対応をしてしまったり、まだ知識や経験が不十分な従業員に電話対応を任せてしまったりする可能性があります。そうなれば前述したような依頼数減少、回収時のトラブルへとつながってしまっても仕方がありません。

だからこそ大前提として、電話対応が難しい業務であることを社内で周知徹底する必要があるのです。

まとめ

行政などが悪徳な不用品回収業者に対する注意を呼びかけていることもあり、利用者に利用してもらえるかどうかは、ホームページや電話対応の段階で信頼してもらえるかどうかに大きな影響を受けます。

これまで電話対応の質向上をおろそかにしていたり、従業員への教育を怠っていたりした業者は、これを機に利用者に信頼されるための電話対応を心がけてみてはどうでしょうか。