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リサイクルショップの倒産急増!中小事業者に求められる3つの対策でも見たように、リサイクル業界の中小事業者は、今の厳しい状況がさらに深刻化する前に、何らかの対策を講じる必要に迫られています。

しかしどうすれば効果的な対策がとれるのでしょうか。そのヒントは日々生まれている新しいサービスやビジネスの中にあります。

以下では、2019年10月に家具・家電の宅配サービス「デカ宅」をスタートさせたハコブ株式会社を例にあげて、今後リサイクル業者がとるべき事業戦略について考えます。

INDEX
  1. ハコブ株式会社の家具・家電の宅配サービス「デカ宅」
  2. ハコブに学ぶ、リサイクル業者の事業戦略
  3. 「デカ宅」モデルを真似してみる
  4. まとめ

ハコブ株式会社の家具・家電の宅配サービス「デカ宅」

家具・家電

ハコブ株式会社は「ハコブをもっと楽チンに。」をキャッチコピーとするサイト「ハコブヨ.com」を運営する会社です。

提供するサービスは、載せ替えなしのチャーター便サービス、一人暮らし利用者向けの単身引っ越し便サービスを中心に、搬入・搬出を利用者自身で行う「ハコブ運ばない便」や、発送代行サービス、産業廃棄物処理サービスなど多岐にわたります。

同社が2019年10月に新たにスタートさせたのが、家具・家電の宅配サービス「デカ宅」です。

家具・家電に特化した配送サービスで、家財一つの配送から利用でき、運賃以外の梱包や設置は全て無料で提供します。宅配期間も当日から翌々日までとスピーディ。

まずは
首都圏2,000万人をターゲットに、今後全国展開を目指す計画を立てています。

ハコブに学ぶ、リサイクル業者の事業戦略

事業戦略のイメージ

今回ハコブ社が「デカ宅」を始めた背景には、メルカリ等のフリマアプリの普及があります。フリマアプリでは中古家具・家電も出品されていますが、素人がこれらを梱包するのは簡単ではありません。

家具・家電がすっぽり入るような段ボールはありませんし、入ったとしても輸送中に破損がないように梱包するには技術や時間が必要です。

ようやく梱包できたとしても、既存の輸送サービスは割高なので、出品者の利益もしくは購入者の負担が大きくなりがちです。

デカ宅はこうした問題を解決するべく、格安で、かつ便利に活用できるサービスとしてスタートしたのです。

・自社の得意な分野で新しいサービスを始めた。
・一定以上の需要があり、かつその需要に応えている競合がいない(少ない)。

デカ宅のサービスとしての強みは、この2点にあります。

家具・家電の梱包や輸送は経験が必要な分野なので、運送の実績がない事業者にはなかなか参入しづらい反面、ハコブ社のような運送専門業社にとっては得意分野です。

そのため新たな人材獲得や教育が必要なく、スムーズにサービスを導入できます。

どんな高品質なサービスを提供できても、需要がなければ意味がありません。

しかしデカ宅に関しては、今後も拡大していくであろうフリマアプリでの中古家具・家電の取引が抱える問題を解決するものですから、一定の需要があります。

加えて既存の輸送サービスはフリマアプリの取引を想定しておらず、競合も少ないと言えます。

つまりこの2点を念頭に事業戦略を練っていくことで、低コスト低リスクで試験的に新サービスや新ビジネスを始められるのです。

「デカ宅」モデルを真似してみる

運送業者の女性

「自社の得意な分野である」「一定の需要があり、競合がいない」という条件を満たすサービスやビジネスが思いつかないという場合は、既存のものを真似してみるのも一つです。

例えばリサイクルショップへ商品の卸売をしている不用品回収業者や、商品を自社で配送しているリサイクルショップなどであれば、中古家具・家電の配送のノウハウもあるはずですから、デカ宅モデルを真似することも十分可能です。

ただし、注意しなければならないのは、運賃を受け取って配送をする場合は「貨物軽自動車運送事業の届出」をする必要があるという点です。

といっても不用品回収業者が知っておくべき「運送事業」のルールとは?で解説しているように、届出の手続き自体は複雑ではありません。

もし自社に家具・家電配送のノウハウがあり、かつサービスに回せる人手があるのであれば、一度導入を検討してみるのもいいのではないでしょうか。

まとめ

ゼロから新しいビジネスをつくりだすのは、よほど優秀な人材に恵まれた会社でなければ困難です。これに対して、誰かが考えたビジネスから学び、自社流にアレンジして作り変えるのは比較的簡単です。

実際、ビル・ゲイツがウィンドウズを開発できたのはスティーブ・ジョブズのマッキントッシュを真似したからとされていますし、FacebookもSNSの草分け的存在だった「フレンドスター」「マイスペース」というサービスをうまく真似して成功したと言われています。

大切なのは「真似をするべき新しいビジネス」をどれだけ見つけられるかどうかです。

業界紙やインターネットを使って、自社の事業戦略に加えられるような、新たなビジネスのチャンスにアンテナを張り巡らしておきましょう。