10〜30代の層を中心に人気を博しているInstagram。リサイクルショップの中でも運用を成功させ、集客に役立てている事業者も少しずつ見られるようになりました。

現在Instagramはショッピング機能を充実させることで、アプリ内で集客やブランディング、販売までを完結できるような仕組みづくりに力を入れています。

利用者数・利用者層を考えると、今後は小売業態を営む事業者にとってInstagramの存在感は増していくでしょう。そうなれば、今はInstagramを運用していないリサイクルショップも、遅かれ早かれ運用をスタートさせる必要性に迫られることになります。

しかし「SNS運用と言われても、何を指針に進めていけばいいかがわからない」と感じている人も多いはず。そこで今回は、リサイクルショップがInstagramで集客する際に、最初に知っておきたい基本のき、について解説します。

INDEX
  1. 表示順位を決める要素とは?ユーザー&運営と“仲良く”なる
  2. 運用の“迷い”とどう向き合う?まずは真似から入る
  3. 続かない理由はどこにある?SNS運用は“マラソン大会”だと考える
    1. 完璧を目指さず、動きながら考える
    2. ルーティン化・スケジュール化で、考えなくてもいい業務を増やす
  4. まとめ

表示順位を決める要素とは?ユーザー&運営と“仲良く”なる


SNSを通じた集客は以下のような順番で、消費行動をとると言われています。

1.アカウントやコンテンツを「発見」する。
2.フォローやフォローバックを通じて「関係」を持つ。
3.投稿される内容を繰り返し「確認」して、関係を深めていく。
4.構築した関係が「購買」へとつながる。
5.購入後の使用感などの「経験」を共有する。

つまるところ、Instagramのユーザーと仲良くなることが集客につながるのです。また、Instagram集客においては、ユーザーと仲良くなるだけでなく、Instagram運営とも仲良くなる必要があります。

ユーザー、運営双方と関係を構築していくことで、投稿やアカウントが新しいユーザーに見つかりやすくなると同時に、フォロワーのタイムラインの上位に表示されやすくなるからです。

では「仲良くなる」とは具体的にどういうことを指すのでしょうか。それは以下の5つのアクションを積極的に行うことです。

関係を構築する コメントしている(されている)、写真にタグをつけている(つけられている)、DMでやりとりをしている。
関心を刺激する エンゲージメント (いいね、コメント)の数、DMやストーリーズでシェアされている数を増やすためのアクションを起こす。
鮮度を維持する 1週間前の投稿よりも1分前の投稿が優先的に表示されるため、できるだけ高い頻度で投稿を行う(理想的な頻度は1日1〜2回程度)。
滞在時間を延ばす 複数枚の投稿や動画の投稿などを通じて、自アカウントやそのコンテンツでのユーザーの滞在時間を延ばすようなアクションを起こす。
色々な機能を使って投稿する フィード投稿だけでなく、ストーリーズやリール、IGTVなども使う。運営側はせっかく作った機能をちゃんと使ってくれるユーザーを優遇する傾向がある。

「何から始めればいいかわからない」という人は、まずこの5つのアクションをルーティン化してみましょう。必ず結果につながるはずです。

運用の“迷い”とどう向き合う?まずは真似から入る


この5つのアクションも、運用するアカウントがインスタグラマーなのか、アパレルショップアカウントなのか、リサイクルショップアカウントなのかによって、より具体的な内容は大きく変わってきます。

運用開始当初は手探りであれこれ試すだけでも、何もしなかった頃に比べて結果が出るでしょう。しかしもっとフォロワーを増やしたい、もっと多くのエンゲージメントを集めたいとなれば、どこかで「今やっていることは正しいんだろうか?」といった迷いに直面します

迷いは非効率につながり、非効率はモチベーションの低下につながります。これを防ぐためにも、まずは他アカウントを真似することから始めましょう。

つまりベンチマークアカウント=業態、発信内容、フォロワー数などで目標にしたいアカウントを見つけて、運用方法を徹底的に真似るのです。具体的には、

・投稿頻度
・投稿方法(ストーリーズ、リール、IGTVの使い方)
・ハッシュタグの使い方
・写真の構図、色味、被写体
・フォロワーとのコミュニケーションの温度感 など

を真似していきます。「そんなやり方でいいの?」と思うかもしれませんが、多くのInstagramのユーザーは、個性的すぎるアカウントよりもいわゆる「“おしゃれ”なアカウント」に反応する傾向があります。

そのため、すでに受け入れられているアカウントを真似するだけでも、一定の支持を得ることができるのです。

もちろん真似するだけではどこかで頭打ちになりますが、運用を始めたばかりの担当者が独自性を打ち出そうとしても失敗するリスクの方がはるかに高くなります。自分なりの運用方法が見えてくるまでは、先人に学ぶことをおすすめします。

続かない理由はどこにある?SNS運用は“マラソン大会”だと考える


SNS運用は、結果が出る前に運用をやめてしまうところも多い施策です。というのもInstagramに限らずSNS運用は即効性の低い施策だからです。もちろん多額の広告予算があれば即効性を高めることはできますが、なかなか予算を確保してもらえないという担当者の方も多いのではないでしょうか。

しかしSNS運用は継続こそが大切です。結果を急ぐのではなく、SNS運用はマラソン大会なんだと考えて、長く走るための運用体制を作っていく必要があります。

色々と方法はあるかと思いますが、ここでは継続しやすくするための2つのルールを紹介します。一つは「完璧を目指さず、動きながら考える」、もう一つは「ルーティン化・スケジュール化で、考えなくてもいい業務を増やす」です。

完璧を目指さず、動きながら考える

前表の中で「1週間前の投稿よりも1分前の投稿が優先的に表示されるため、できるだけ高い頻度で投稿を行う(理想的な頻度は1日1〜2回程度)」と書きました。

これを見て「じゃあ毎日2回投稿するようにしよう!」と意気込むのはいいことです。しかし理想はあくまで理想。理想を実行できないことよりも、実行するうえで無理が出てしまい、担当者が体調を崩したり、他の仕事に支障が出たりして、「もうSNS運用はやめよう」となってしまう方が問題です。

そうなるくらいのリソースなのであれば、週2〜3回の投稿を確実に継続する方が、長い目で見た時の結果は良くなります。

またユーザーからのエンゲージメントが低い投稿を高頻度で続けるよりも、「どんな投稿がウケるのか」をしっかりと分析したうえで投稿する方が、最終的なフォロワー数やエンゲージメントも高くなります。

ですから投稿回数を減らした分のリソースは、Instagramビジネスアカウント(詳しくは公式HPにて)を活用するなどして、データ分析の時間に回すのもいいでしょう。

ルーティン化・スケジュール化で、考えなくてもいい業務を増やす

例えば週2回投稿すると決めても、毎回直前になって何を投稿するか考えていると「とりあえず今日はこんな感じの投稿にしておこう」「今日は何も思いつかなかったから、投稿を明日にズラそう」といった具合に妥協してしまい、1回1回の投稿のクオリティが下がってしまいます。

SNS運用だけが仕事ならまだしも、他に担当業務がある人も多いはずですから、仮に妥協しないとしても、時間のない中で良いアイデアを考え、それを実行に移すのは簡単ではありません。

そこで効果的な方法が、いつ・どんな内容を・どんな手順で投稿するのかを、ルーティン化・スケジュール化してしまうやり方です。

こうしておけば、あとは期日までに手を動かすだけ。頭で考える作業はほとんど必要なくなります。

1回の投稿にかける労力が大きいほど、作業に入るまで・入ってからの負担も大きくなります。SNS運用で息切れを起こさないためにも、1投稿あたりの負担を減らす努力をすることをおすすめします。

まとめ

他のSNS運用と同様に、Instagramの運用にも完全なマニュアルはありません。結局のところ、何をいつ、どんな形でアウトプットするかは、自社で考えてPDCAを回していくしかないからです。

しかしだからといって、1〜10の全てを自分たちで考える必要はありません。ここで解説したような基本の部分については、すでにある程度正解が用意されています

大切なのは始めて、続けること。リサイクルショップのInstagram運用に興味があるのであれば、ぜひまずは初めの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。