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INDEX
  1. 1.正規輸入品と並行輸入品の違い
  2. 2.正規品の特徴と買い取りまでの流れで偽造品と見分ける
  3. 3.並行輸入品でも商標権侵害の責任問題が生じる
    1. 正規品であっても商標権侵害になりうる

エルメスやグッチなど有名ブランドの商品は、リサイクル品であっても需要は高いですね。しかし、人気であればあるほど世の中には偽物も多いのが事実。
ここでは、有名ブランドの買取査定時にぜひ注意してもらいたいポイントをお教えいたします。

1.正規輸入品と並行輸入品の違い

正規輸入品と並行輸入品の違いとはなんでしょうか。
どちらも品質は、同じものなのですが、入荷する時のルート保証面などで違いがあります。

入荷ルートとしては、正規輸入の場合は、ブランドから日本の正規代理店に流れ、日本の小売店などで販売をします。
一方、並行輸入は、ブランドから第三者が直接購入して日本の小売店などで販売する流れです。

そして、並行輸入品では正規輸入品と違い、3つの難点が生じます。

  1. 正規店のギャランティーカード(保証書)がついていない
  2. 取扱説明書が日本語で書かれていない
  3. ワケありの商品が多い

保証書が、ついていない場合、正規店舗で適した修理をしてもらうことができず、もし、ついていたとしても日付や名前が未記入の物も保証サービスが受けることができない恐れがあります。
また、正規輸入品と違い検品が厳しくないために小さな傷や若干色ムラなどの些細な違いが生じてきます。

並行輸入品を購入希望されるお客様が現れた場合には、このことを事前に説明しておくと良いでしょう。

2.正規品の特徴と買い取りまでの流れで偽造品と見分ける

ブランド服

並行輸入品の買い取りで必要なのは、正規品と比較して、買取依頼に出された商品が本物かどうか見抜けるかどうかです。
「○○の本物はこんな特徴がある!」といった知識が多ければ、並行輸入品でも偽造品を買取査定時にはじくことが出来ますね。

例えば、「金具の刻印がしっかり彫られているか」これは、大体の有名ブランド商品に言えることで、本物であればくっきりとブランド名などが入っていますが、偽造品は、少し見にくい彫りです。

他にも縫製法、ファスナーの形状、タグといったポイントをリサイクル業界では、細かく見ていくことをオススメします。
また、近年では、スーパーコピーという非常に精巧な偽造品まで出てきて、あえて、正規品よりも安いスーパーコピーの商品を購入するお客様もいらっしゃるほどだと言われています。

しかし、偽造品を販売すると商標権を直接侵害してしまいます。
査定に出された商品を買い取っても商標権を侵害しないか確認するために、権利者からご自身のリサイクルショップまでの商品の流れも調べましょう。

税関への申告で必要なインボイス(送り状)、商品の入り数が記載してあるパッキングリスト(梱包明細書)、通関証明書などを見て流通を把握しておくと怪しいものは買い取らずに済みます。

お客様には必要な書類を揃えておくよう事前にお伝えしておくと、滞りなく査定が進みますよ。

3.並行輸入品でも商標権侵害の責任問題が生じる

リサイクルショップで商標権侵害のある並行輸入品を販売していた場合、責任を取るのはお客様か並行輸入業者と思いきや、買い取りで仕入れていたリサイクルショップも責任を問われるケースがあります。
お客様から買い取ったものだからと知らぬ存ぜぬとは言えないのです。

大半の場合、リサイクルショップ側は事情を知らないので、差し止めや販売商品の回収・買い取り先の情報開示・商標権侵害で生じた損害額の算出(買取価格や販売数量など)をはじめとする資料を提出する必要があります。

このようなことが起こってしまうと、お客様や業界からの信用を無くしかねません。
恐ろしい事態を防ぐためには、真正商品の並行輸入として商標権侵害をしない条件を満たしているかチェックすることが大切です。

並行輸入品の買取希望があったら、下記3つの条件を満たしいているか確認しましょう。

  1. 並行輸入品につけられている商標が、輸入先の国の商標権者または当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法につけられたものであるか。
  2. 輸入先の国の商標権者と日本の商標権者が同一人物であるか、または法律的・経済的に同一人物とみなせるような関係があることで、並行輸入品の商標が日本の登録商標と同じ出所を表示するものであるか。
  3. 日本の商標権者が直接的あるいは間接的に並行輸入品の品質管理が可能な立場にあり、並行輸入品と日本の商標権者が登録商標をつけた商品(正規輸入品)が当該登録商標の保証する品質において実質的に差異がないと評価されるものか。

これらの条件を満たしていないものを販売すると、商標権侵害と見なされてしまいます。
商標が違法でつけられたもの、海外と日本の商標権者が違うもの、工場が販売しているものは、そうと分かった瞬間に買い取りしないことです。

正規品であっても商標権侵害になりうる

たとえ正規品を並行輸入しても商標権者が商標権侵害訴訟をした時は、商標権侵害と判断されてしまいます。これは並行輸入業者や販売業者であるリサイクルショップが、上記の条件を立証しない限り覆ることはありません。正規品だからと安心していては危ないのです。

リサイクルで買い取った並行輸入品は、並行輸入業者が不明であったり、あやふやなことが多いそうなので、実際は、ご自身のリサイクルショップだけで条件の立証をすることになるおそれがあります。

査定で危ない並行輸入品の判別を出来るようにすることと、並行輸入品の3つの条件を満たしている商品か確かめること。これらが最悪の状況を回避する方法です。

以上のことに十分気をつけて円滑に有名ブランド商品を買い取りましょう。