作業服で指を指している男性。

他のビジネスと同様に、不用品回収業者、リサイクルショップ、便利屋などのリサイクル事業を営むにあたって、集客やプロモーション、消費者とのコミュニケーションは非常に大きな課題です。これができなければ事業は立ち行かず、せっかくのビジネスチャンスを逃すことにもなりかねません。

リサイクル事業者が抱えるこれらの課題を解決するツールの一つとして、LINE株式会社が提供するLINE@があります。飲食店などのアカウントと友だちになっている人もいるかもしれませんが、実はこのサービスはリサイクル事業者でも十分活用できるのです。

以下ではLINE@の特長と、リサイクル事業者がこのツールを使うことで何ができるのかについて解説します。

INDEX
  1. LINE@で何ができる?
    1. 集客・プロモーション
    2. コミュニケーション
  2. 19年春からLINE@が変わる!
  3. まとめ

id=”sec1″>LINE@の強力なリーチ力

SNS 国内利用者数
Instagram 2,000万人(2017年10月)
Facebook 2,800万人(2017年9月)
LINE 7,600万人(2018年7月)
※2017年9月時点でも7,100万人
Twitter 4,500万人(2017年10月)

上表は各社のニュースリリース等を参考に、大手SNSの国内利用者数をまとめたものです。LINE@の最大の特長は、母体となっているLINEの国内利用者数が大手SNSの中でもずば抜けて多いという点です。事業者がプロモーションやメッセージをどれだけ頻繁に発信していても、それが届く人数が少なければそれだけ売上や利益につながる確率も下がってしまうからです。

さらにLINE@はリーチできる層の広さも特長の一つです。InstagramやFacebook、TwitterといったSNSはそれぞれ得意な年齢層や性別などがありますが、LINEはもともとコミュニケーションツールであるため年齢・性別ともに満遍なく利用されています。

加えてLINEは日本人が利用しているアプリの中でも、特に利用時間が長いアプリの一つでもあります。というのもインターネット利用動向の調査・分析などを行うニールセンデジタル社が2018年3月に行なった調査によれば、1日あたり1日の利用時間TOP10アプリのうち、1位〜5位は以下のようになっているのです。

1位:Pokémon GO(34分)
2位:LINE ディズニーツムツム(31分)
3位:LINE(26分)
4位:Simeji(18分)
5位:Twitter(16分)
※()内は平均利用時間
引用元: ニールセンデジタル社ニュースリリース(抜粋)

利用する時間が長いということは、LINE@を通じて事業者が発信した情報がリーチする可能性も高いということになります。

このほかメルマガに比べてLINE@の開封率は5倍〜10倍以上とかなり高く、メッセージ開封後のクリック率になるとメルマガの20倍というケースもあります。これももともとLINEがコミュニケーションツールであることが原因の一つでしょう。つまり届いたメッセージを見るという動作がごく当たり前のアプリだからこそ、LINE@を通じて事業者から届くメッセージも違和感なく開封するのです。これもLINE@の特長の一つと言えます。

またFacebookやTwitterの広告はユーザーの趣向を分析して、それに適した広告をタイムライン上に流す仕組みになっています。そのため発信した広告が自動的に間引かれてしまう可能性があります。

これに対してLINEにはこうした仕組みがありません。そのため友だちになったユーザーが任意で非表示にされない限りは、確実にタイムラインに表示できるようになっています。この点でもLINE@のリーチ力は他のSNS広告に比べて高いと言えるでしょう。

・国内利用者数が多い。
・利用者層が広い。
・利用時間が長い。
・開封率とクリック率が高い。
・広告の間引きがない

以上の点からLINE@は非常にリーチ力の高い集客・プロモーション、コミュニケーションツールになっているのです。

LINE@で何ができる?

しかしどんなにリーチ力が高くても、不用品回収業者やリサイクルショップ、便利屋といったリサイクル事業者にとって使えるツールでなければ意味がありません。以下ではLINE@の機能を概観しながら、リサイクル事業者がこのツールを使うことで何ができるのかを見ていきましょう。

集客・プロモーション

セールの広告

LINE@のタイムライン投稿機能やメッセージ配信機能を利用すれば、セールなどの告知や入荷商品などの情報発信が可能になります。テキスト以外にも音声や動画のデータも配信できるので、テキストだけの集客・プロモーションに比べて訴求力を高めることができます。

またLINE@では任意のクーポンを発行できる機能が備わっています。これを友だちになってもらうきっかけにしたり、友だちになったあとも継続して事業者からの情報をブロックせずに受け取ってもらう動機にしたりしている事業者も少なくありません。

これらの集客・プロモーション機能を不用品回収業者が活用するとしたら、例えば高額買取商品の品番を写真と一緒に配信したり、買取を強化したい品物を回収した際に「今日はこの冷蔵庫を、○○円で買い取らせていただきました」といった簡単なブログのような形で配信したりすることができます。

リサイクルショップであれば「現在○○○○円以上お買い上げのお客様限定で10%OFFクーポンを発行中」「○○品薄中につき、買取価格15%UP」といったクーポンの発行、セールの告知などに利用できます。便利屋の場合は買取系の集客・プロモーション以外に、「草刈り1,000円引きクーポン」といった使い方も可能です。

コミュニケーション

スマートフォンの画面。

LINE@では1:1トークという機能を使うと、LINE@を通じて問い合わせをしてきた友だちとテキストや写真、動画などを使ってコミュニケーションをとることができます。テキストや写真、動画によるコミュニケーションでは意思疎通ができないような場合も、固定電話やガラパゴス携帯宛てに格安で電話がかけられるLINE Outというサービスを使ってのコミュニケーションが可能です。

またリサーチページという機能を使えば、人気投票やアンケートのようなユーザー参加型コンテンツの配信ができます。投票を通じてセール内容やクーポン内容を決めれば、よりセールやクーポンの効果が高まるでしょうし、回答者限定クーポンを設定すれば回収率アップも期待できます。

これらのコミュニケーション機能を不用品回収業者が活用するとしたら、例えば1:1トークを利用して回収の受付をしたり、動画や写真を使って回収可能かどうかを問い合わせてもらうといった使い方ができます。

通常の電話での問い合わせの場合、担当者が運転中や作業中で出られなかったりすると、事業者としてはビジネスチャンスの損失ですし、依頼者からすれば無駄な時間になってしまいます。

しかしLINE@であれば、担当者は手が空いた時にスマートフォンを見てその場で対応できますし、依頼者からしても問い合わせを送っておけばスマートフォンで確認できるので楽です。こうしたコミュニケーションのスムーズさも、LINE@の大きな特長です。

リサイクルショップと買取依頼者とのやりとり

リサイクルショップではこのような形で、買取の依頼者からLINE@を通じて問い合わせを受け、それをそのままLINE内で対応しているところもありますし、在庫や価格の問い合わせが送られてくるケースもあります。そうした場合もテキストだけでなく動画や写真も使えるので、その場でより正確に状態や機能の確認をしてもらえます。

便利屋であれば「庭掃除を頼みたい」という問い合わせに対して、「今すぐ見積もりを出しますので、お庭の状態を動画に撮影して送ってもらえるでしょうか」と対応すれば、口頭で伝えられるよりも具体的な見積もりを提示するということもできます。スムーズかつ密にコミュニケーションがとれるというLINE@のメリットは、こうした場面にも活きてくるのです。

19年春からLINE@が変わる!

このように様々な使い方ができるLINE@ですが、2018年11月現在では月額料金が無料のフリープランや、月額料金5,000円のベーシックプランでは機能の制限があり、フル活用できないのが現状です。全ての機能を使うためには月額料金20,000万円のプロプランに入る必要があるのです。

しかし2018年11月1日にLINE@公式ブログで【重要】LINE@サービス統合のお知らせという発表があり、その中で2019年春以降に大幅なサービス内容の変更が行われることがわかりました。

今回発表された変更のうち、主要な変更点は以下の5点です。

・現在のプロプラン/プロ(API)プラン相当のプラン料金を値下げ
・プレミアムIDの初年度料金を値下げ
・タイムライン投稿を全てのプランで無制限で利用可能に
・これまで有料プランでの利用に限られていた機能を全てのプランで利用可能に
・メッセージ配信を配信通数に応じた従量課金制に
引用元: LINE@公式ブログ

詳しくは【最新版】LINE@(ラインアット)のサービスに大幅変更!その主な内容とは?でも解説していますが、この変更の最も大きな意義は、月額料金無料のプランにおける機能制限がなくなり、より手軽にLINE@を試せるようになるという点にあります。LINE@を使い始めるのに、これ以上のタイミングはないのではないでしょうか。

「でもネットやウェブってよくわからないから」という場合でも心配は無用。「具体的にどう始めればいいのか」「何をすれば集客できるのか」「どんな機能があるのか」などについてはLINE@の公式ブログなどで詳しく知ることが可能です。

また『コストゼロでも効果が出る! LINE@集客・販促ガイド』も、やや情報が古いところはあるものの、LINE@の基本を理解するうえで簡単・丁寧な本になっているため、十分参考になるはずです。

まとめ

LINE@は友だちになった消費者に対して、強力なリーチ力を発揮する集客・プロモーション・コミュニケーションツールです。使い方によっては、不用品回収業者やリサイクルショップ、便利屋といったリサイクル事業者にとっても有効なツールになり得ます。

2019年春からは無料プランの機能拡張も発表されているほか、アプリ自体も使いやすく設計されているため「インターネットやウェブマーケティングが必要なのはわかるが、どう始めればいいかわからない」という人でも気軽に始めやすくなっています。

集客やプロモーション、消費者とのコミュニケーションに課題を感じているリサイクル事業者は、LINE@の公式ブログやLINE@のハウツー本などを参考にしつつ、LINE@の導入に挑戦してみてはいかがでしょうか。