スマホと硬貨

不用品回収業者やリサイクルショップ、便利屋などでもクレジットカード決済ができれば、依頼者やお客様の利便性を高めることができます。

しかしクレジットカード決済は導入コストや運用コストが高くつくのも事実。導入を諦めて現金だけで対応しているところや、もしくは高いコストを支払ってクレジットカード決済を導入しているところも多いのではないでしょうか。

そんなリサイクル業者におすすめしたいのが、スマートフォンを使って決済ができるスマホ決済サービスの導入です。ここではリサイクル業者がスマホ決済を導入するメリットを5つ紹介するとともに、おすすめのサービスを3つ紹介します。

INDEX
  1. リサイクル業者がスマホ決済を導入する5つのメリット
    1. 決済時の手続きがスムーズになる
    2. 出張業務でも簡単に導入できる
    3. 銀行口座への入金が早い
    4. クレジットカード決済よりもコストが安い
    5. 他の決済方法と一緒に導入することも可能
  2. リサイクル業者がスマホ決済を導入するデメリットは?
  3. リサイクル業者にオススメしたいスマホ決済3選
    1. 女性客を狙うなら!楽天ペイ
    2. 訪日中国人客に特化するなら!コイニー
    3. リユースに慣れた潜在顧客を狙うなら!メルペイ
  4. まとめ

リサイクル業者がスマホ決済を導入する5つのメリット

不用品回収業者やリサイクルショップ、便利屋などのリサイクル業者にとってのスマホ決済導入のメリットは大きく5つあります。以下ではこれらについて一つずつ見ていきましょう。

決済時の手続きがスムーズになる

スマホ決済をする女性

スマホ決済 それ以外の決済方法
・タッチしてもらうだけ
・QRコードを読み取る、読み取ってもらうだけ
・お釣りの受け渡しが必要
・暗証番号やサインが必要

スマホ決済サービスの多くは、現金やクレジットカードの場合に比べて決済時の手続きが非常にスムーズです。

現金であれば事業者側が料金を提示して、依頼者やお客様が財布から紙幣や小銭を出し、それをもう一度事業者側が確認して、お釣りやレシート・領収書を渡してようやく終わります。クレジットカードでもサインや暗証番号を入力する手間がありますし、お客様控えを渡す必要もあります。

これに対してスマホ決済であれば、iDなどの端末にタッチするだけで決済が完了するサービスもあれば、依頼者やお客様に事業者が提示したQRコードを読み取ってもらえば、あとは金額を入力して決済を確定させることで手続きが完了するサービスもあります。いずれにせよ現金やクレジットカードのような手間は必要なくなります

これはリサイクルショップはもちろん、次の依頼までの時間があり、なるべく早く決済を済ませたいという不用品回収業者や便利屋にとってもメリットになるでしょう。

出張業務でも簡単に導入できる

スマホ決済 クレジットカード決済
スマホがあれば他の端末は不要 専用端末が必要

不用品回収業者や便利屋のような出張業務では、クレジットカード決済を導入しようとすると、専用の決済端末を持ち歩かなければなりません。しかし前述したようにスマホ決済サービスには、QRコードを読み込むだけで手続きができるようになるサービスもあります。

QRコードがあればいいということは、スマートフォンが一台あればいいということです。近年の事業者であればスマートフォンで電話対応をしたり、社内連絡をしているところも多いはず。つまり何ら特別な機材を持ち歩かなくても、現金以外の決済を導入できるのです。

銀行口座への入金が早い

スマホ決済 クレジットカード決済
最短翌日入金 月1〜2回程度

従来のクレジットカード決済は、基本的に銀行口座への入金は月に1〜2回程度です。しかしスマホ決済サービスの中には最短で翌日に入金処理を行うところも少なくありません。このスピード感は、資金繰りの点で大きなメリットになるでしょう。

クレジットカード決済よりもコストが安い

お金

スマホ決済 クレジットカード決済
・導入コストは基本無料
・決済手数料も3.24〜3.75%程度
・導入コスト10万円程度〜
・決済手数料は4〜7%程度

クレジットカード決済は導入するというだけで、まず10万円程度〜のコストが必要になります。加えて決済時の手数料に代金の4〜7%かかるため、利益率の低い事業においてはコスト面で導入が難しくなりがちです。

一方でスマホ決済は基本的に導入コストは0円、決済手数料については各サービスを比較しても3.24〜3.75%の範囲内に収まっています。

他の決済方法と一緒に導入することも可能

日本はキャッシュレス後進国と言われるほど、現金至上主義の国です。そのためまだまだスマホ決済が普及しているとは言い難く、電子マネー(ICOCA、Suicaなど)かクレジットカードによる決済にとどまっている人が大半です。そのため「スマホ決済なんて誰が使うんだ?」と思う人もいるかもしれません。

確かに誰も使わない決済サービスを導入しても意味がありません。しかし市場調査・マーケティングを行うICT総研の推計によれば、スマホ決済そのものの利用者数は増加し続ける見込みで、2021年度には2,000万人近くに上るとされています。

またスマホ決済サービスの中には、同時に導入することで電子マネー決済やクレジットカード決済を初期費用無料で導入できるものもあります。今後利用者が増えていくうえ、今まではコストが問題で導入できなかった決済方法も導入できる。これは事業者にとって大きなメリットになるのではないでしょうか。

リサイクル業者がスマホ決済を導入するデメリットは?

悩む男性

事業者側にはスマホ決済を導入するにあたって、いくつかデメリットもあります。

・一括払いしか利用できないため、高額商品には向いていない
・現金が見えなくなるので、商売をやっている感覚が弱くなる
・地方部や高齢者にはまだ浸透していない
・紙のレシートの発行には専用端末が必要になる など

しかしクレジットカード決済と同時に導入すれば高額商品にも対応はできますし、紙のレシートの代わりにメールで領収書が送られるようになっているため、例外を除いてはレシートの発行は必要ありません。

またスマホ決済が浸透したとしても、全てがキャッシュレス決済になるにはまだまだ時間がかかるため、現金を扱うことが減ることで商売をやっている感覚が完全になくなるという事態は考えにくいでしょう。地方部や高齢者の問題についても、今後浸透してくることを考えれば大きな問題ではありません。

以上のことからスマホ決済を導入する際は、メリットが本当に自社にとってメリットかどうかを考えたうえで検討すれば十分で、デメリットについて特別検討する必要は少ないと言えます。

リサイクル業者にオススメしたいスマホ決済3選

最後に数あるスマホ決済サービスの中から、リサイクル業者にオススメしたいサービスを3つ紹介します。主なサービス内容は下表のとおり。なおサービス内容は今後変更の可能性があります。予めご了承ください。

サービス 楽天ペイ コイニー メルペイ
対応決済方法 QRコード(※1)
クレジットカード
電子マネー
QRコード(※2)
クレジットカード
電子マネー
QRコード(※1)
クレジットカード
電子マネー
初期費用 実質無料
月額費用 なし
決済手数料 3.24〜3.74% 1.5%
入金のタイミング 翌日入金 10日〜15日後 月1〜2回
導入までの日数 1〜2週間 2〜5営業日 最短2営業日

※1:日本人向けのみ
※2:訪日外国人向けのみ

女性客を狙うなら!楽天ペイ

楽天ペイ
引用元: https://pay.rakuten.co.jp/index_pc.html

楽天ペイの特徴は楽天銀行に口座を設定すると、翌日入金が自動でできたり(他行は振込操作が必要)、振込手数料が無料になったりと(他行は210円)、様々な優遇が受けられます。

また楽天ペイの利用者は、不用品回収サービスやリサイクルショップの利用者層である女性が多いと考えられます。なぜならインターネット利用動向調査のニールセンデジタルが、日本の18〜64歳の人口をもとに各ECサイトの利用者数を算出したところ、女性の実に53%が楽天市場を利用しているとされているからです。

楽天市場の利用者が楽天ペイを利用すると考えれば、楽天ペイの利用者も女性が多くなる、というわけです。そのため女性客をメインに狙うのであれば、楽天ペイの導入がオススメです。

訪日中国人客に特化するなら!コイニー

コイニー
引用元: https://coiney.com/

訪日客数が韓国に次ぐ第2位となる中国では、キャッシュレス化が非常に進んでいます。そのため中国人客が多いリサイクルショップであれば、訪日中国人客が使う電子マネーの決済に対応することで、より中国人客を呼び込める可能性があります。

コイニーは中国の電子マネー「We Chat Pay」に対応しているのが特徴。中国人客に特化してスマホ決済を導入するのであれば、このサービスを選ぶことをおすすめします。

リユースに慣れた潜在顧客を狙うなら!メルペイ

メルペイ
引用元: https://www.merpay.com/

メルペイは2019年2月13日からサービスをスタートさせた、メルカリが母体のスマホ決済サービスです。2月時点ではiOS端末でしか利用できませんが、3月頭にはandroid版もリリース予定となっています。

入金の頻度は月1〜2回と従来のクレジットカード決済と変わらないものの、手数料が非常に安いという点や普及率の高い電子マネーiDの端末で利用できることなど多くの強みがあります。

またフリマアプリのトップ企業が母体になっているため、リユースに慣れた利用客が今後増えていくでしょう。そのため不用品回収業者やリサイクルショップ、便利屋などのリサイクル業のサービスとも相性の良い潜在顧客も多いと考えられます。

まとめ

ICT総研の推計にもあるように、今後日本国内でもスマホ決済は急速に普及していくでしょう。

完全に普及してから導入するのも選択肢の一つではありますが、今から導入しておいて使い方や集客等への活用方法などを身につけておくのも賢明な判断ではないでしょうか。