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古物商の許可が必要な場合8パターン

古物商の許可が必要なパターンと不要なパターン

1.古物を買い取って売る

古物商許可を手に取る男性

古物を買い取って売る場合は、古物商の許可が必要になります。また、古物商が古物を買い取る場所も「営業所」または「お客様の家」の二択のみと法律で決められています(※)。

買い取りの出張サービスをしていない場合は、自分の営業所まで依頼主に持ってきてもらうしかありません。これら以外の場所で買い取りをしてしまうと、1年以上の懲役または50万円以下の罰金に科せられます。古物商に関する罰則は厳しいものが多く、場合によってはこれ以上に厳しい罰則を科せられることもあります。

※2018年4月25日に交付され、2018年10月24日に施行される改正古物営業法 では、取引の3日前までに日時と場所の届出を(仮設店舗営業届出書)、管轄の公安委員会に対して提出していれば、届出をした仮設店舗でも一般人から古物を受け取れるというルールに変更になりました。

2.古物を買い取って修理して売る

基本的に、古物とは一度使用されたもの、いくらか手入れをされたものを意味します。修理するということは手入れをするということになるので、修理して売るものも古物という扱いになります。

また、修理をする前に商品を買い取っている時点で古物商の許可が必要となりますが、商品を譲り受けて修理して売るという場合だと古物商の許可は必要ではありません。

3.古物を買い取り部分的に売る

古物を買い取り、一部分のみを売るというのも同じです。

例えば、中古自転車のタイヤやサドルの部分だけを売るというような場合です。

4.古物を買い取らず、売った後に手数料をもらう

古物を買い取らず、売った後に手数料をもらう事を「委託売買」と言います。委託売買も古物商許可が必要です。

委託者は商品を売ったわけではないため、もしも営業所でその商品が売れなければ、自分の手元に戻し、また別の営業所に委託することができます。

委託者から見ると、とても良い売り方の様に思えます。しかし、手元にすぐお金が入らないという点はデメリットになるので、緊急でお金が必要な人にはおすすめできません。また、依頼主は商品が売れた場合は売上の一部を受け取ることになります。

5.古物を別のものと交換する

カメラとゲーム機を交換しようとする男性達

古物の交換では金銭のやり取りをしていないため、古物商許可がいらないようにも思えますが、古物営業法の第2条の1では古物営業を以下のように定義しています。

「古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であって、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの」

少しややこしく書いてありますが、簡潔に言えば「古物を交換することも古物営業にあたるので、古物商の許可が必要」ということが示されています。

6.古物を買い取ってレンタルする

古物を買い取り、レンタルする場合も古物商の許可が必要です。

ですが、ある品物を新品の状態で買い、それをレンタル品としてお客様に貸し出し、後日お客様から返ってきた場合は古物商の許可は必要ありません。

お客様が品物を使用した時点でその品物は古物となりますが、古物商に許可が必要になるのは「所有権の移動があるとき」です。

古物を買い取る時は、以前のユーザーから新しい買い取り手に所有権が移るため古物商の許可が必要になりますが、新品を購入し何度も貸し出しをしても所有権は最初に購入した人に残っているため、古物商の許可が必要ないのです。

7.国内で買い取った古物を国外に輸出して売る

輸出入に関する古物の取扱については、日本の法律が適用される範囲かどうかで判断されます。

国内で買い取った古物は買い取るという行為を国内で行ない、その相手も国内にいるため日本の法律が適用され、古物商の許可が必要となります。

また、国内の輸入業者が輸入した中古品を買い取る場合も、相手は国内の業者なので古物商の許可が必要になります。

逆に、買い取る相手が国外にいるケースを考えてみましょう。

海外で中古品を購入し、帰国してから販売する場合は、中古品を販売していた相手が国外の人間であり、日本の法律の適用外のため、古物商の許可は必要ありません。海外の業者に発注して、中古品を輸入し販売する場合も同様です。

しかし、代理店に頼まずに海外の業者から直接中古品を仕入れる場合は、営業所を管轄する警察署に取引内容と業態を相談する必要があります。場合によっては古物商の許可が必要になることもありますので、注意してください。

8.上記の行為をインターネット上で行う

インターネットであろうが店舗を持っていようが、上記の行為を行う際は必ず古物商の許可が必要になります。

無店舗型の営業をしようと考えている方も必ずチェックするようにしましょう。

古物商に許可が必要でない場合5パターン

1.自分のものを売る

自分のものを売る場合には古物商の許可は必要ありません。「自分のもの」とは、「所有権が自分にあるもの」を指しています。自分で購入し、使用法通りに使用したもの、または未使用のものです。

ですので、人から借りているものなど、自分の手元にあっても所有権が自分にないものを勝手に販売することは出来ません。そのようなものを販売した場合は、「横領罪」という罪にあたり、5年以下の懲役、業務上横領罪の場合は10年以下の懲役が課されます。

古物商の許可が必要不要どころの問題ではないため、自分のものを売る場合は注意しましょう。

2.自分のものをオークションで出品する

自分のものを出品する場合も許可は不要です。

しかし転売目的や購入時の価格との差額を出すような出品をする場合は許可が必要となります。

3.無償でもらったものを売る

無償でもらったものを売る場合は、買い取りをしておらず、所有権も自分が持っているため、販売することに許可はいりません。

4. 相手から手数料等を取って回収したものを売る

古物商の許可というのは、もともと盗品の売買防止を目的としています。

わざわざ盗品を、手数料を払ってまで引き渡す可能性は少ないと考えられるので、相手から手数料を取って回収したものを売る場合は許可が不要ということになります。

5. 自分が売ったものを相手から取り返す場合

お客様に売ったものを取り戻す場合、または取り戻して他の相手に転売する場合は古物商の許可は必要ありません。

ただし、最初に売ったお客様が転売をしていた場合は、許可が必要になることもあります。

状況によって古物商の許可が必要か不要かは変わってきます。

古物商を営む場合には、法に触れることがあっては大変です。くれぐれも罰則に受けることのないように注意しましょう。