仕入れ

リサイクルショップを営む際に最も重要な、「商品の仕入れ」。安定した仕入れなくしてリサイクルショップの成功はないと言われるほどです。
安定的に運営するためには実際にどのような方法で商品の仕入れをすればよいのでしょうか。

この記事ではリサイクルショップの仕入れの方法を5つ解説していきます。

INDEX
  1. 家庭の不用品の買取で仕入れる「直接買取」
    1. 不用品をお店に持ち込む「店舗買取」
    2. 不用品を回収しに行く「出張買取」
    3. 依頼者から宅配便や郵便で不用品を受け取る「宅配買取(郵送買取)」
  2. 安価で掘り出し物に出会える古物市場(道具市場)の競売で競り落とす
    1. 古物市場の情報は警察署へ「古物商・古物市場主名簿」を請求しよう
  3. アパレルメーカーの売れ残りやB級品などを買い取る
  4. 処分品に困った引越し業者や、製造業者から買い取る
  5. 修理やメンテナンスで価値をあげる遺品整理サービスで収益に
  6. 5つの仕入れ方法で安定的にリサイクルショップを運営しよう

家庭の不用品の買取で仕入れる「直接買取」

リサイクルショップが商品を仕入れる方法として、もっとも一般的であり重要であるのは、家庭からの不用品の直接買取。不用品の売却を希望する依頼者から持ち寄られた品を査定して買い取る仕入れ方法です。直接買取には以下の3つの種類があります。

不用品をお店に持ち込む「店舗買取」

家庭などで不要になった品物を、実際にリサイクルショップへ持ち込んでもらうことで買い取りを行う方法です。店舗側が回収しに行く必要が無いので、直接買取の中でも負担が少ないことに大きな利点があります。買取品を査定している時間に、顧客を待たせてしまうことにはなりますが、店頭に販売商品を豊富に揃えておくことで、来店者の購買意欲に訴求することができます。

不用品を回収しに行く「出張買取」

店舗側が不用品売却希望者の家庭に商品を引き取りに行く買取方法です。出張買取は、顧客とのつながりが深まることによってリピーターの獲得が期待できます。

しかし、デメリットとしては車など引き取りのための手段が必須なことです。出張買取の希望者は不用品の品数が多い場合や、重量のある品を売却したい場合が多くあります。出張買取の希望を受ける場合には、事前に品数や内容を把握しておいたほうがよいでしょう。

依頼者から宅配便や郵便で不用品を受け取る「宅配買取(郵送買取)」

宅配買取は、査定希望商品を宅配業者経由で店舗へ送ってもらう買取方法です。店舗側は送料を負担するだけなので、商品価値がないものや買取不可のものが送られてきたとしても、それほどリスクはありません。宅配買取は店舗の信頼性が重要な要素になります。

安価で掘り出し物に出会える古物市場(道具市場)の競売で競り落とす

古物市

仕入れをする上で利用したいのが「古物市場」です。リサイクルショップが一同に集まり商品を売買する古物市場で売買を行うためには、「古物商」が必須になります。また、古物市場の主催者から参加の承諾を取る必要があります。参加するには、入会金の支払いや、競り落とした商品の数パーセントの支払いが必要になる場合が一般的です。

古物市場では商品は以下のように競り落とす方式で進められていきます。
振人(セリの進行を行う者)が商品の基本的な情報を説明し、開始価格を設定してセリの始まりです。あらゆる競売で行なわれている方法と同様に、競争者は同額の金額かそれ以上の金額を提示し、最も高い値を提示した者が落札します。

とくに関東圏内の古物市場のセリでは、価格を提示する場合に「符丁(ふちょう)」と呼ばれる言い方があります。

例えば、1,250円を提示したい場合には1,250円とは言わずに「センマイ」、1,500円の場合は「イチゴ−」など、業界独特の専門用語が使用されます。そのような言い方をしなくてもセリに参加することはできますが、慣れていくことが必要かもしれません。

一般的な市場価格よりも、安価に仕入れを行える可能性のある古物市場には一度参加してみるとよいでしょう。

重点的に仕入れたい商品のジャンルを扱っている古物市場がある場合、効率的に商品の仕入れができるという利点もあり、一般の市場には出回っていないような掘り出し物を手に入れられる可能性もあります。古物市場で売買を行なっているプロの先輩から学び、今後のリサイクルショップ運営のモチベーション向上のためにも刺激をもらいたいですね。

古物市場の情報は警察署へ「古物商・古物市場主名簿」を請求しよう

古物市場の情報は警察が管轄権を持っているため、公式にインターネット上には公開されていません。非公式で掲載されている古物市場リストなどもありますが、正確性に欠けるようです。

正確な古物市場の情報を知りたい場合は、近くの警察署へ「古物商・古物市場主名簿」を請求するのがよいでしょう。警察署のウェブサイトから電子申請用紙をダウンロードし、必要事項に記入して警察署へ郵送します。申請から古物商・古物市場主名簿を受け取るまでの期間は2週間程度と考えておきましょう。

また、手数料を支払う必要があるため、事前に警察署のウェブサイトで確認しておきましょう。

アパレルメーカーの売れ残りやB級品などを買い取る

アパレル

家庭の不用品買取だけではなくメーカーから仕入れる方法もあります。たとえばアパレルメーカーから洋服を買い取る場合、中古ではなく新品がそのほとんどです。新品の洋服が安価で仕入れられる、とメリットばかりが浮かびますが、メーカーが買取を希望する新品の洋服は、汚れやキズがあるものや、売れ残りがその多くを占めています。

そのため、新品だからといって安易に買い取ってしまうとリサイクルショップでも売れ残ってしまう可能性が高いでしょう。アパレルメーカーなどの業者から商品を仕入れる際には、売れる見込みがあるかを慎重に検討する必要がありますね。

処分品に困った引越し業者や、製造業者から買い取る

リサイクルショップを運営していくためには、引越し業者や製造業者とのコネクションも非常に大切になります。引越し業者は、引越しの際に依頼人が残した不要品を、製造業者も同様に、売れ残った商品などを処分するためにリサイクルショップへ売り渡すことがあります。

この方法で安定的に仕入れができるわけではありませんが、大切な仕入先のひとつとして引越し業者や製造業者ともよい関係を築くほうがよいでしょう。

修理やメンテナンスで価値をあげる遺品整理サービスで収益に

通常、遺品整理は専門業者が行いますが、リサイクルショップにとっても仕入れ方法のひとつとさせて頂く機会でしょう。亡くなった方や、ご家族の意思に沿って遺品の中から買取が可能なものを引き取ります。修理やメンテナンスによっては価値をさらに上げられる場合もあるため、目利きが必要になります。リサイクルショップでも遺品整理のサービスとして提供すれば、収益にすることもできます。

その場合には、整理後の清掃なども必要になるので個人で全ての業務を行うことは難しいかもしれません。場合によっては、清掃業者に委託する方法も検討しましょう。買取品以外の不用品を処分する際には資格が必要な場合もあり、家具など大きな品物の場合はトラックなどの大型車を必要するため、その都度回収業者や解体業者に依頼し、買取業務を円滑に進めることも重要です。

5つの仕入れ方法で安定的にリサイクルショップを運営しよう

今回紹介したリサイクルショップの仕入れ方法をまとめておきましょう。

  • 家庭からの不用品の買取
  • 古物市場(道具市場)
  • メーカーからの買取
  • 引越し業者・製造業者から買取
  • 遺品整理サービス

リサイクルショップの経営を考える上で最も重要になるのは、売却者と購入者の顧客サイクルを得ることができる、家庭からの不用品の買取でしょう。まずは一般客とのつながりを得て、他の4つの仕入れにも力を入れていきましょう。