近年、リサイクル業界は競争が激しい業界のひとつとされています。リサイクルやリユースという意識が人々に浸透し、リサイクル業界は過去にないほどの盛り上がりを見せています。
平成27-28年の業界規模は3,841億円(主要対象企業18社の売上高合計)と大規模な市場ではありませんが、年々堅実に大きくなっています。しかし、大企業が展開するリサイクルショップが業界のシェアを占めているため、個人経営のリサイクルショップは窮地に立たされています。
この記事では、競争が激化する近年のリサイクル業界で成功を収めているリサイクルショップの共通点を挙げ、小規模のリサイクルショップでも利益を伸ばしていける方法を模索します。
成功しているリサイクルショップの6つの共通点
「店頭買取」を行っている
リサイクルショップが商品を仕入れる方法は基本的には以下の3つ。
- 店頭買取
- 出張買取
- 宅配買取
この3つの中でもっとも重要な仕入れ方法は「店頭買取」です。
なぜなら、お客様自身がリサイクルショップに来店するため、他の2つの仕入れ方法に比べてショップ側の負担が少なく済むからです。例えば、出張買取では時間そして車のガソリン代が発生します。しかし、価値がある商品が手に入るとは限らないため、マイナスに転じるリスクがあります。
また、宅配買取もショップ側の負担がかかってしまう仕入れ方法です。お客様にとって、宅配買取の魅力は、ショップに足を運ぶことなく、査定が行えることでしょう。さらに魅力的なのは送料や査定費用が一切発生しないことです。
しかし、このようなことができるのは大手のリサイクルショップであって、個人経営のショップでは負担とリスクが高くついてしまいます。
「ネットオークション」を活用する
個人経営のリサイクルショップが成功するにはネットオークションをうまく使う必要があります。
ネットオークションを使うメリットは3つあります。
- 商品の回転率を上げられる
- ショップの知名度が向上する
- 在庫処分を行える
ネットオークションをうまく活用すれば、このようなメリットが生まれます。
ネット上で店舗を持つと考えてみてください。つまり、自店舗の他に、商品を販売する道が増えるということです。商品の回転率は確実に上がります。また、ネットオークションを使えば、在庫処分も可能になります。売れ残り続けている商品はショップの雰囲気を暗くしてしまいます。常連のお客様は“さて今日はどんな商品が新しく入っているかな”とワクワクして来店されます。
来る日も来る日も、同じ商品が並べられていたらショップへの期待感は薄くなってしまいます。また、商品の落札者との対応をしっかり行うことで、ショップとしての信頼度も上がります。
ネットオークションで取引を行ったお客様がショップに足を運んでくれる可能性を高めることもできます。
「ホームページやブログでの情報発信」を行う
現在、どんなビジネスを行う上でも「インターネット上で情報を発信できる力」が重要とされています。それはリサイクル業界でも同様です。その理由はとてもシンプルなものです。なぜなら、多くのお客様がインターネットからの情報を頼りにして来店するからです。
もし、自社のホームページやブログで積極的に情報を発信していれば、それだけ人の目に留める機会が増えます。そして、ショップとしての安心感を生むことにも繋がるのです。
「顧客ターゲット層の的確な設定」がされている
リサイクルショップを経営する上で考えて欲しいことわざがあります。
それは「虻蜂取らず」あれもこれも欲張ると結局何も手にできないという意味のことわざです。リサイクルショップで表すならば、どんなお客様にでも来てもらおうと様々なジャンルの商品を扱うことです。
この手法はすでに大手リサイクルショップが行っているため、勝機が少なく、リサイクルショップとして個性をアピールできない点が大きなデメリットになります。
「専門分野を持った従業員」に担当してもらう
自分が好きなモノに関しては熱くなれるのが人間です。この点を意識してリサイクルショップを経営することは非常に大切だと思います。スタッフを雇う場合も、おしゃれに関心がある人に衣服の商品を担当してもらえれば、スタッフ本人も楽しく仕事ができるはずです。また、お客様と服についてコミュニケーションを取ることで、お客様の満足度を高めることもできるでしょう。
「ショップの空間デザイン」にこだわる
お客様にショップへ足を運んでもらうには良い商品を揃えるだけではいけません。商品と共に、空間を提供する心がけが重要になります。
たとえば、照明が暗ければ、店の雰囲気は自然と暗いものになってしまいます。アーティック雑貨などを売る場合にはいいかもしれませんが、そうでない場合は商品の価値を落としかねません。
また、外からショップ店内を見渡せるオープンな空間にすれば、お客様は安心してショップに入ることができます。空間にこだわることで、お客様が“また来たい”という気持ちを持ってくれるかもしれません。
「インターネットやチラシ広告を使った集客」に力を入れている
リサイクルショップを開いて口コミでお店が繁盛することはまず期待できません。お客様を待つ姿勢ではなく、自らお客様を獲得していく攻めの姿勢が肝心になります。攻めの姿勢をもっと具体的に言えば「積極的な集客」です。そして、集客はスピード勝負です。
リサイクルショップ経営で重きを置くべき集客方法は4つあります。
1. 新聞折込チラシ広告
新聞を購読していると、新聞の中に様々なチラシが入っていますよね。あれがまさに「新聞折込チラシ広告」です。リサイクルショップは地域密着型ビジネスとされています。もし、地域に根づくことができればリピーターの確保に繋がるからです。新聞折込チラシ広告を打つことで、新聞を購読している世代、一般的には主婦と高齢者の集客になります。チラシの作成は業者に委託することができますが、初期費用が限られている場合は自分で作ることも十分可能です。
2. インターネット広告
インターネット広告には様々な種類があります。その中でも、もっともポピュラーなのが「リスティング広告」と呼ばれるものです。リスティング広告とは、特定のキーワードが検索された場合にショップのホームページが上位に上がる集客法です。リスティング広告の費用の相場は決まっていません。
なぜなら、広告費は広告主自身が決定することができます。低予算でも引き受けてくれるリスティング広告業者と組んで集客につながる広告を打つことは十分可能です。
3. 自社のホームページで効果的な記事を書くこと
先ほど紹介した「リスティング広告」は効果的ですが、ホームページに誘導したところでホームページ内のコンテンツが充実していなければ、最終的に顧客を獲得することができません。ここでいうコンテンツはリサイクルショップに関わる有益な記事という意味です。
たとえば、「新しく入荷した商品」や「商品別の買取価格相場」など、リサイクルショップに行こうと考えている方の背中を押してあげるような記事です。また、書いた記事は自社のホームページに残り続けます。
どこかで自分が書いた記事が読まれています。情報が資産化され、ショップの利益にもつながります。
4. SNSを使った集客法
一般的に、SNS集客法に使われるのはFacebook、Twitter、Instagram、YouTubeです。それぞれ利用者層が違います。しかし、リサイクルショップの集客には、個人的にFacebookが一番効果的だと感じています。
利用者層も若い人から年配の方と幅広いですし、Facebookページを作成すれば営業時間などのショップの基本情報も入力できます。また、実際に来店いただいたお客様からレビューを貰えることもできます。
ホームページで記事を書くにはパソコンを開く必要がありますが、Facebookならスマートフォンひとつで十分です。日々、入荷した商品に関して投稿するだけでも効果はあります。
「いかにお客様をワクワクさせられるか」が成功へのカギ!
リサイクルショップ経営で大切なことは継続してお客様をワクワクさせることです。“あのリサイクルショップにいけば何かある!”と常に思ってもらえれば、リピーターになってくれるお客様も自然と増えてきます。
お客様をワクワクさせられるリサイクルショップを作っていきましょう!